投資バカ賢い人は金融機関を信じない (朝日新書)

投資バカ賢い人は金融機関を信じない (朝日新書) の詳細

「預金バカ」に「投資バカ」、金融機関から勧められての商品は全て御法度。多くの投資商品を一つずつ消去して、残るは何か。取って置きの資産形成投資商品がある由。少額から長期的にコツコツと積み立てる商品が二つある。そう、それに投資するのが「預金バカ」、「投資バカ」にならない唯一の道。そう拝聴しながら読んでみた。前作の「預金バカ」は、結局は投資信託ならセゾン投信、月々5,000円から無理なく資産作り、定期積立プラン、自信を持ってお勧めは、「セゾンバンガード・グローバルバランスファンド」、或いは「セゾン資産形成の達人ファンド」と、明快に堂々と喧伝されたが、今回は金融商品を一つづつ消去法で失くして、「では何がいいか分かりますね？」と余韻を残す作戦に切り替えた。投資する際に留意する点、ダメな点を紹介し、どれも資産形成にはなりませんよ、気を付けて下さいね、と社長自ら頑張っておられる。NHKの首都圏ニュース「ストップ詐欺被害！私はだまされない」も思い出す。（1）銀行に預金だけの預金バカから脱して、投資をしませんか？（2）販売担当の言いなりに、最悪の投資商品を買っていませんか？（3）個人は機関投資家のプロとは情報収集力が違いますよ。斯様なお節介なお気遣いの有り難いお話が続く。「投資バカ」とは、投資とギャンブルの違いが分からぬまま、株式投資、FXに手を出す個人。デイトレードに魅せられ、超短期の売買に血道を上げる人。企業に将来性の投資ではなく、値動きに投資する人。何の知識も持たず、持とうとする努力をせず、漠然とおカネを増やしたいと、言いなりで投資商品を交わされている人。長期の資産形成から外れた投信を買わされている人。いずれも当たり前で、その通り。ここはお愛想で、成る程ご尤もな中野社長のご慧眼に頭が下がる、としておこう。中野社長のご指摘は非常に幅が広い。第1章、短期トレーダーとして株投資は需給だけ見て取引。最高の売り場を逃し、恐怖心から底値斑点上昇は待てず。第2章、FXは投機筋の欲望と感情で動き、その偶然性に賭けるので、FXは究極のギャンブル。第3章、株式投資は資産運用の王道ながら個人の資産形成は大変。デイトレード、個別銘柄投資は資産形成に無理。目利きになりかなり多数の投資分散を。それなら少額の投信を、とする。第4章、個別株投資は避けて投資信託を買う。しかし「何がいいですか？」は鴨ネギだからご法度。「買いたい投信を決めて窓口に行く」、ご尤も。その他はETF、NISA、新興国投資、生命保険や変額年金保険、個人年金保険等々に及ぶ。結論としての帰結は、「投資バカ的金融商品に手を出すな」、「買うならセゾン投信の積立投信を」となる。中野社長、この立派なパンフレット、無料配布でもいいのでは。