新エロイーズ〈第4〉 (1961年) (岩波文庫)
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新エロイーズ〈第4〉 (1961年) (岩波文庫) の詳細
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書簡体小説であって、一人称の語り手が二人称の聞き手に対して語る形式なので、ストーリー展開は遅々としているし、詳細説明が不足していると感じてしまう面もある。これを欠点（不備）とするか、面白味とするかは読み手の捉え方に依るだろう。徳に関する論考として読むべきなのだろう。天上に対する徳と地上に対する徳のうち、後者の方に重点があるか。その広がりと深まりは格別である。第四部の書簡十及び十一にその実現が表されている。理想に過ぎないとの見方もあるだろうが、マキシム（原則）として捉えるべきだと思う。最終盤のジュリの思考と言動は意外性も含んでいるし、美しい。
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