「お金」と「市場」のカラクリ―投資の世界はこう動いている
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何処をどう探しても、中央指令本部などないのに、マーケットは、世界経済にとって極めて重要な役割を果たし、多くの人類の命や生活を支えている。市場とは、「ネットワーク」であり、我々人間や組織は、その中の一点にしか過ぎない。そんな視点から、人類の生み出した最大の奇跡であり偉大な創造である摩訶不思議なマーケット・メカニズムを、易しく丁寧に説いているのがこの本。価格の形成から、マネーの役割、投資市場等々現在の経済社会の展望を踏まえた解説が面白く、初歩の経済学のテキストとしても役立つ。興味深いのは、あのミルケンを、大量の資金に流動性を与えて業績不振に陥った企業を復興させ、起業家精神を蘇らせた人物として高く評価していること、また、投資家として引用の多いのは、バフェットであること、企業分析には、ディスカウント・キャッシュ・フローが一番良いとしていること、等であろうか。市場は、効率的だと学者は言うが、そうは思えず、経済学や金融の知識以外にシャーマニズムの勉強も必要だと説くあたり、そして、冷酷かつ熾烈な市場の論理から身を守る為には、結局は、知識と情報で武装する以外にないとするあたりに、著者の人間性が垣間見えていて面白い。
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